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へとり

2008.02.06 | Posted at 09:21 | Category: 身辺言語

共通語で「ほとり」という言葉があるが、この「へとり」は、その転訛か、祖形であろうと疑っている。
「弁当箱のへとりについた米粒まできれいに食べる」と言うのを聞くと、こちらの身辺言語感覚がビビッと反応する。
湖や池の「ほとり」ではない、弁当箱である。やはりこちらが古形ではないかと思ってしまう。
どちらかというと「弁当箱の縁のぐるり」というニュアンス。あるいは「田んぼのへとり」というと、やはり田んぼを囲む畦のぐるりをいうように思う。
漢字にすると「辺とり」だろう。
「へとり」が「ほとり」の古形であるかどうかはわからぬが、これが日常語として使われているのを耳にすると、不思議な既視感を覚える。


「へとり」が古形で「ほとり」がその転訛だとすると、意味もまた縮小したことになる。
「へとり」の「とり」だが、「辺」の「とり」で、たとえば「寸法をとる」などの「とる」だろうと考えている。
日本語の「とる」は実に汎用性のある語義を持っているが、「尺取虫」の「とり」もこの用法になるとおもう。ようするに、「辺(へ)」を「とる」と、ぐるり一周になる。

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